中性脂肪は動脈硬化に深くかかわっている

肥満を放置しておくと、糖原病や高血圧症などの生活習慣病を合併したり、複数の病気が複合して発症する危険性が高いことが、わかっています。中性脂肪は動脈硬化に深くかかわっているので注意が必要です。
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長期的な肥満は危険度が超高い-中性脂肪は動脈硬化に深くかかわっている

中性脂肪と肥満

 

 肥満はなぜ問題となるのでしょうか?

 

それは、肥満がさまざまな生活習慣病を引き起こす、大きな要因となるからです。
私たちのエネルギーとなる物質の一つに糖(グルコース)があります。糖は細胞が働くうえで重要な物質ですが、筋肉、肝細胞、脳、赤血球などでそれが使われるときには、インスリンというホルモン物質が必要になります。

 

インスリンが細胞に作用することで、はじめて、糖が細胞の中に入りこめるのです。
ところが肥満状態にあると、このインスリンの働きが悪くなり、糖がなかなか細胞の中に入りこめません。
このような状態をインスリン抵抗性といい、そのまま放置して症状が悪化していくと、やがて血糖値が上昇し、糖尿病を発症してしまうのです。

 

 

また、肥満は、このように糖尿病を発症させるだけでなく、マルチリスクファクターと呼ばれる高中性脂肪血症と高血圧を合併することにより、動脈硬化へと発展する場合もあります。

 

そして最悪の場合、心筋梗塞や脳梗塞となって命にかかわるケースもあるのです。
ですから、肥満を単なるからだの状態と考えるのは適当ではありません。さまざまな生活習慣病との合併症を起こしゃすい疾患、という認識をもってください。

 

 

現代の死亡原因は動脈硬化が元になることが多い

 少し前の日本人の食生活はお米が中心でした。ご飯を多く食べる場合、どうしても漬け物やみそ汁など塩分の多い食品をとりすぎる傾向があり、結果として当時の日本人には高血圧症の人が多く見られました。

 

死因のトップも高血圧からくる、脳内出血でした。
ところが、動物性たんぱく質をはじめ、高カロリーな食事をとるようになった私たち現代人は、高脂血症や高コレステロール血症といった病気にかかる割合が著しく増加しました。

 

その結果として動脈硬化を招き、心臓病(虚血性心疾患)や脳血管疾患を起こす人が多く見られるようになったのです。こうした動脈硬化を原因とする病気で亡くなった人の合計は、じつは日本人の死亡原因の1位とされるがんよりも多くなります。
この動脈硬化を引き起こす第一歩となっている肥満は、私たちのライフスタイルに原因がある場合がほとんどです。
ですから、肥満の対策、改善が、長生きの秘けっともいえるのです。

 

 

動脈硬化を起こしやすい高中性脂肪血症

 血液中の中性脂肪値が高いと動脈硬化を起こしやすいということは述べましたが、中性脂肪値が非常に高いタイプ(1000mg/dl以上)の人よりも、150~800mg/dlの間の人のほうが動脈硬化になりやすいことがわかっています。

 

LDLコレステロール(いわゆる悪玉コレステロール)が高い人や、HDLコレステロール(いわゆる善玉コレステロール)の低い人も要注意ですが、最近ではRLPコレステロール(レムナントリポたんぱく)や、スモールデンスLDLが高い人にも、動脈硬化がおきやすいことがわかってきました。

 

RLPコレステロールは中性脂肪に含むリポたんぱくで、細胞にとりこまれやすく、動脈硬化を早く促進します。
もちろんこれが多い場合には、中性脂肪値も高くなり、高脂血症を合併しやすいといわれています。

 

また、スモールデンスLDLは、LDLより動脈硬化を促進しやすい脂質で、高中性脂肪血症の人に出現しやすいことがわかっています。虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)の患者さんにも、このスモールデンスLDLが多い人の割合が高いことが報告されています。

 

これらのことから、中性脂肪は動脈硬化に深くかかわっていることがおわかりいただけたことと思います。


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